楽器屋探索ディープレポート Vol.7
管楽器専門店ダク
- 管楽器専門店ダク について
- 今年(2015年)35周年を迎える、管楽器の街、大久保エリアを代表する総合管楽器専門店。創業以来、お客のニーズに真摯に応え、商品在庫数・スタッフ・サービスともに国内屈指の充実で、販売・修理・メンテンナスと管楽器に関するすべてにおいて、初心者からプロまで幅広いニーズに対応している。コンサートホール「スペースDo(ドゥ)」、ミュージックスクール「ダ・カーポ」を併設し、音楽との出会いや、演奏発表の場も提供し管楽器の魅力を伝えてくれる。
- 管楽器専門店ダク 店舗情報
- 管楽器専門店ダク 公式サイト
新宿区百人町2-8-9
お問い合わせ:03-3361-2211
営業時間11:00~20:00(日・祝 10:30~19:00)
定休日 毎月第1・第3水曜日(祝日を除く)
楽器店の中の人に話を聞いてみた〜 管楽器専門店ダク 編
このコーナーは、楽器店でミュージシャンをサポートしてくれる「中の人」に突撃インタビューしてお話を聞いてしまおうというコーナーです。中の人の皆様、ご協力ありがとうございました。
本日は、新大久保にある管楽器専門店ダクの店長、田代芳之さんにお話を伺います。リゾート地にあるようなモダンな建物で驚きました。設立の経緯から教えて下さい。
最初は池袋からスタートしました。当時はまだ無名なお店でした。その後、新大久保に移って現在に至ります。今年で35周年になります。
あらゆる管楽器を取り扱う専門店ということですね?
はい、吹奏楽、オーケストラ、ジャズバンドなどで使われる管楽器全てを扱う管楽器の総合店となっております。
お店には多数の管楽器が並んでいますが、田代さんご自身はどの楽器を演奏されるんですか?
高校生の頃からサックスをやっています。会社でもバンドなどを組んだり、業界内のライブで演奏したりもしていましたが、最近はあまり演奏する機会がありませんね。
目標にしていたミュージシャンやコピーしたプレイヤーなどはいましたか?
ビッグバンドで演奏していたので特定のミュージシャンに憧れるというのはそこまでなかったですね。好きなミュージシャンは沢山いましたが、演奏をコピーしたりとかもあまりなかったです。どちらかというと、音楽に関しては“聴く専門”に近かった。きっとコンボの演奏スタイルなどだったら、また違っていたかもしれないですが。
私はビッグバンドではバディ・リッチなどよく聴いていました。管楽器の迫力を体感できたバンドの一つです。
バディ・リッチは大学時代の頃に少しやりました。でも、あのバンドは相当に上手い人達の集団だからね、聴く分には格好いいんだけど、真似すると上手くいかない(笑)。
今日は初歩的、というか素人的な質問をさせて下さい(笑)。管楽器はスカパンクバンドからクラシックまで様々な音楽で使われています。演奏されるジャンルによって楽器のつくりも違ったりするのでしょうか?
違いますね。例えばトロンボーンなんかも、ジャズやスカなんかで使うものは細菅の使用になっており、いわゆる“巻き”がありません。クラシックや吹奏楽は“巻き”の部分があります。
“巻き”があると、具体的に何が変わるのでしょう?
単純に、管の長さが変わってくるので、中低音の鳴りが変わってきます。レバーを使うことによって“巻き”がある方は中低音が充実するようになっています。
クラシックや吹奏楽の方が中低音を重視するのですね。
クラシックや吹奏楽の方が、太い響きを重視していますね。同じ種類の楽器でも、ジャンルによって全然違う構造になっているものなんです。
お店に並ぶトランペットやサックスの金色や銀色カラーが眩しいですが、色の指定や塗装のルールはあるのでしょうか?
絶対的な塗装のルールというものはありませんが、今はラッカーかメッキが主になっていますね。昔は塗装をしないノーラッカーというものもありましたけどね。他にも、使い込んで塗装が剥げ、結果的にノーラッカーになりビンテージとなるものもあります。また、色に関する指定はないです。なので、一時期はマーチンなどから赤や黒のトランペットなんかも出していましたよ。
サックスはメロディー楽器で、リードがついていて演奏しやすいので初心者にもおすすめ。
なるほど、カラフルな管楽器も目にしてみたいです。では、次の質問です。田代さんからみて、現在需要の大きい、伸びている管楽器の利用シーンというのはどのあたりですか?
どのように使われているかとか、具体的な需要人数までの詳細はわかりませんが、利用者の人数なら圧倒的に吹奏楽でしょうね。ほとんどの中学校、高校には吹奏楽部が、しかもそれが全国にあるわけですから。
学校の部活単位なら毎年新入部員も入りますし桁違いの数ですね。小学校の吹奏楽コンクールなども盛んだと聞きました。
はい、盛んになっていますね。
管楽器は身体的な要素も必要ということですか?
身体が大きければ良いというわけでもありません。普通にある程度成長すれば問題ありません。吹くコツさえつかめば女の子でも良い音を出せるようになりますよ。身体的には中学生くらいになれば大丈夫です。身体が出来てからは、技術の問題です。
小柄な女性がチューバを吹く姿には萌えますね、個人的に(笑)。ちなみに人気のある管楽器はどのあたりですか?
やはりサックス、トランペットでしょうね。特にサックスは初心者でも格好よく見えますし、メロディー楽器でもあり、リードがついていて演奏しやすいので、とっつきやすさはあると思います。トランペットやトロンボーンは、自分の唇を振動させて鳴らすので、最初は音を出すだけでも難しい、ある程度の修行が必要な楽器です。
管楽器は修理のプロがいないと絶対にダメです。
管楽器はギターやドラム等よりもメンテナンスやケアも大変そうなイメージがあります。
当然そうですね。錆びやすいし、金管楽器は、オイルが渇くとロータリー部分が動かくなっちゃう。そうなると個人では直せませんからね。ギターやベースなら自分で修理できる範囲も広いけど、管楽器は修理のプロがいないと絶対にダメです。
お店には、新宿ものづくりマイスター『技の名匠』の称号を貰っている修理のプロがいらっしゃるそうですね。
はい、専属のリペアマンがいます。管楽器の多くは基本が金属ですから、凹んでしまったら、車の板金のように直さなければなりませんし、フルートやサックスは、穴を塞ぐパーツが皮やフィッシュスキンなので、これらも専門のリペアマンが修理しないといけません。
楽器販売の他にもミュージックスクール、イベントホールを連動して運営されているとのことですが、これらは、いつ頃から開始したのですか?
ミュージックスクールの『ダ・カーポ』は20年くらい前からです。クラシックコース、ポピュラー&ジャズコースにわけてのレッスンや、発表会等を開催しています。
B1Fにある『スペースDO』では、主にスクールの生徒さんの発表会で使用しているのですか?
いいえ、『スペースDO』は一般貸出が中心です。ここ一年は、土日・休日、良い日は全て予約で埋まっています。平日はリハーサルでも使われています。吹奏楽やクラシックの練習でホールを借りるのは、高い費用がかかってしまうので、うちの『スペースDO』の椅子を全部片付ければ、オープンスペースとしてリハーサルでも利用できるようにしました。
初心者の方にも楽器別の専門スタッフが、楽器の選び方からアドバイスします。
ビジネス的な話になりますが、池袋の無名なショップからはじまって、イベントホール、スクールと発展していますが、当初から明確なビジョンがあったのですか?
基本的には、楽器を売るための楽器屋さん、でも、そのうちに修理が必要になってきた。だから修理の専門家を入れました。またそのうちに、今度は、お客さんの立場からすると、演奏を習うところが欲しいとなった。それがスクールになった。すると、最後は演奏する場所が必要になった。それがコンサート会場になったわけです。
なるほど。演奏する人の立場で必要な物を提供してきたのですね。
そうですね。お客の夢や希望みたいなものが、極自然に長い間かけて出来た結果です。
では、最後に、これか管楽器を始めようとしている方にメッセージなどありましたらお願いします。
楽器の在庫も多く揃え、スタッフも各楽器別に専門スタッフがいるので詳しい内容にも対応できますし試奏も可能です。初心者の方には楽器の選び方から無料で手ほどきしますので、気軽に足を運んでみて下さい。
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